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高卒だと転職できない?
大学全入時代と言われて久しく、大学に進学することが当たり前といった風潮のある昨今。またその大卒者ですら、景気によっては就職に苦戦する報道や入った会社を1か月で辞めてしまったというニュースを耳にすると、高卒者の転職は到底無理な事のように感じてしまうかもしれません。
しかし高卒の方でも転職は十分可能で、そもそも大学全入時代と言いつつ大学進学率は57.3%にとどまり、全員が大学に進学しているとは決して言い難い状況であるのが現実です。(参照:http://eic.obunsha.co.jp/pdf/educational_info/2017/0904_1.pdf)
高卒での転職の現状
転職情報サイトを見ると、学歴条件が「高卒以上」となっている求人もかなりヒットします。また空前の人手不足で飲食や小売りを中心に採用条件を引き上げる企業も出てきており、高卒であることを理由に転職ができない事は少なくなってきているでしょう。
大卒でも転職が楽とは限らない
大卒であるからといって転職が容易に行えるわけでもありません。目的意識を持たずに何となく大学を出ただけの大卒者は、いざ転職しようと思ってもよほど前職で経験を積んでいなければ転職は簡単ではないでしょう。逆に言えば、高卒であっても専門職として資格を有して働いていたり、特殊なスキルを身に着けている場合は転職も十分可能であると言えます。
高卒での転職におすすめ職種10選
高卒の方が転職するにあたり、では具体的にどのような職種を選べば成功しやすいのでしょうか。ここでは高卒の方が転職をするにあたりおすすめの職種を10個ピックアップしていきます。
営業職
学歴や知識よりも人柄で勝負をかけることができる職種といえるでしょう。
営業といっても、既存顧客を回るルート営業、全く新しい顧客を開拓する新規開拓営業があり、更にそれを個人に対して行うのか法人に対して行うのか、売る商材は有形商材なのか無形商材なのかといった細かい分類があります。
応募先企業の事業内容にもよりますが、食品メーカーや機械メーカーの場合は法人向けルート営業が多く、保険代理店の場合は個人向け新規開拓営業が多いでしょう。前者と後者とでは向いている方が大きく異なります。
ルート営業に向いている方は、人当たりが良く穏やかな方です。一度販売しておしまいではなく長期間に渡り良好な関係を築く必要があるためです。
一方で新規営業に向いているのはメンタルが強く明るい方です。特に保険のような目に見えない無形商材は怪しまれやすく断られることが続くためです。
営業職の特徴として、学歴や知識、資格に関係なく成果を出すことができる点が挙げられます。人と接することが得意な方は是非チャレンジしてみましょう。
接客業
アパレル店員やホテルのフロント、ジムの受付業務などが挙げられます。営業職以上に多くのお客様と接するため、人当たりの良さに加え一度会ったお客様の顔を覚えているなどプラスアルファの長所があるとやりがいを感じて働きやすいでしょう。
高卒者向け求人も多い職種ですが、どうしても平日休みとなってしまいがちな業界も多いため応募前に条件面をしっかりと確認しましょう。
事務職
毎日地道な作業の連続となる一方、残業や休日出勤はかなり少ない部類の職種となるため家事と両立したい方に人気の職種です。
営業職を支える業務が多く、根気強く真面目にコツコツ取り組める方に向いています。
学歴はほとんど重視されず、どちらかといえばワードやエクセルといったPCを扱うスキルの方が重視されるようです。
今回ご紹介する職種のなかでは1、2を争うほど人気が高く、求人数はあまり多くないかもしれません。
土木系
建築現場や工事現場で力仕事をする、いわゆるガテン系と呼ばれる職種です。現在都市部の再開発が盛んに行われ人手不足が叫ばれている業界のため求人を見つけることは難しくないでしょう。
工具の扱いなど専門的な部分も求められますが、それ以上に体力に自信がなければ務まらないでしょう。学歴は一切見られないと言っていいでしょう。体力には自信がある、もっと身体を鍛えたいという方におすすめの職種となります。
飲食業
営業や土木系同様、学歴よりはストレス耐性や長時間労働への抵抗が無い事の方が重視されます。
店長候補として採用され、のちに店長やリーダーを務めるキャリアプランがあります。またフランチャイズ形式での「のれん分け」が福利厚生の一環で導入されている企業もあります。未経験から自分ひとりで店舗を運営できるまでに能力を高めることができるため成長を実感しやすいでしょう。
一方でアルバイトが突然欠勤した場合などに休日を返上して働かなくてはならないこともあります。
システムエンジニア
専門職の代表例と言えるでしょう。高校でIT系の勉強をしてきた方であれば文系の大卒者を抑えて活躍することも容易でしょう。前職での経験があれば尚良しです。
システムエンジニアといっても、実際にプログラムを書く下流工程だけなのか、要件定義や外注などの上流工程も含むのかといった形で様々な働き方があるため応募前に要確認です。
運輸
バスやトラック、タクシーの運転手です。慢性的に人手不足の業界で、求人を見つける事には苦労しないでしょう。力仕事というイメージがありますがフォークリフトでの積み込みが増え、体力に自信のない方でも活躍しやすくなっています。またトレーラーの運転手などは必要な免許の取得ハードルが高いため高給となる傾向にあるようです。
介護
高齢者や障害者の方のお手伝いをする仕事です。少子高齢化に伴い介護職のなり手が大幅に不足しているため広く募集が行われています。
その一方であまり知られていないものの力仕事である、待遇が悪いなどの理由で離職率が高い業界でもあります。高齢者や障害者の方に寄り添う仕事のためやりがいが感じやすい仕事のため、仕事にやりがいや充実感を求める方に向いているでしょう。
公務員
公務員というと大卒でなければなれないイメージがありますが、高卒であっても目指すことができる公務員もあります。行政事務や警察事務、消防士などが挙げられ、いずれも公務員試験に合格することができれば誰でもなることができます。
民間企業には無い安定感が公務員の魅力なので、試験勉強が苦にならない方は検討してみましょう。
医療系
別途専門学校へ通う必要が生じてしまうものの、高卒でも取得可能な医療系資格がいくつかあります。理学療法士や放射線技師などは専門学校で学ぶことで取得可能な資格で場合によっては大卒の無資格者よりも好条件の求人も見つけることができます。
高卒での転職におすすめ資格8選
上で高卒での転職におすすめの職種を10個ピックアップしてみましたが、ご自身に向いている職種は見つかりましたでしょうか。次に、高卒の方が転職するにあたり持っていると有利になる資格を8個ご紹介します。
普通自動車運転免許
どの職種に応募するとしても必ず持っておきたい資格が運転免許です。日常の業務で車に乗る機会が無い方でも、出張先で急遽運転する必要に迫られるケースもあります。またプライベートの旅行先でレンタカーを借りることも可能になるので持っておいて損はないでしょう。
TOEIC
グローバル化が進んだ現在、英語はもはや必須です。日本国内で働くから関係ないと思っていても、同僚が全員日本人とは限りません。高校卒業レベルにとどまらず、自分で勉強を進め800点以上を目指しましょう。800点はビジネスレベルで英語を使用することができる目安とされており、応募可能な求人の幅が広がります。
不動産鑑定士
不動産業に営業などで携わる場合、持っているだけで価値がある資格となります。不動産を取引する際に適正価格を算出し円滑な取引をサポートすることが主な業務で、会社によっては有資格者に対し月額3万円程度の手当てを出すこともあります。
都市部の不動産取引が活発化し価格が高騰している現在、ニーズの強い資格といえるでしょう。
調理師
飲食業界で働くことを検討している場合、専門学校に進み調理師免許を取得することをおすすめします。将来的な独立・開業の際に保健所の承認が取りやすくなるほか、調理師免許を持っている事に対し手当を支給する企業もあります。
MOS
聞きなれない名前かもしれませんが、「マイクロソフトオフィススペシャリスト」の略でマイクロソフト製品を扱うことのできるスキルの証明です。
ワード、エクセル、アクセス、パワーポイント、アウトルックそれぞれのソフトに対しMOS資格が認定されます。事務職志望の方には特に取得をおすすめする資格です。
介護福祉士
介護職に就く場合に是非持っておきたい資格になります。介護福祉士を取得するためには実務経験が必要で、いきなりの取得はできないものの持っていると介護の中で行えるサポートの幅が大きく広がります。家族とのやりとりも業務に入ってくるため、一層やりがいも感じられるでしょう。
簿記
事務や経理だけでなく、営業や飲食の職に就く場合も持っておきたい資格になります。会社のお金の流れを、世界共通のルールに沿って分類することで帳簿を作成する際に役立ちます。日商簿記の場合3級から1級までの3種類が存在し、最も難易度の高い1級は公認会計士ですら合格できないこともあります。実務で求められるのは2級レベルまでと考えて差し支えないでしょう。几帳面な性格で高い倫理観のある方にお勧めの資格です。
高卒者が転職するメリットとデメリット
高卒の方の転職について解説しましたが、実際に高卒の方が転職するにあたりどのようなメリットとデメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
高卒者の転職のメリット
高卒の方の就職活動は、学校が面倒を見てくれた一方で学校が推薦した企業に行くことを強要されたケースやOBの企業に否応なしに入社することになったケースも少なくないと思います。
自分のやりたい事と噛み合っていない場合が大卒以上に多く、本当にやりたい事を追い求めるための転職であれば高卒の方が転職することは自然とも言えるかもしれません。
また大卒者と比べ、大学4年間の授業料がかかっておらず社会人経験も同年代の中で長いため、一度社会人を経験してから改めて専門学校へ進学するなどの選択肢も取りやすいでしょう。
高卒者の転職のデメリット
高卒の方の転職は、どうしても大卒よりも不利になる部分が否定できません。大卒者と比較し早く社会に出ることができる分、実務経験や専門スキルを磨きたいところを色々な企業を転々とすることになってしまっては目も当てられません。
また大卒より選べる求人が少ない中で「辞め癖」がついてしまう懸念もございます。
自分がどうして転職したいのか、一度考えてみると良いでしょう。
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