未経験から営業職に！転職成功の秘訣とは

お客様の課題を、自社の商品やサービスを通じて解決することで自社の売上に貢献する業務です。いわばお金の入り口にあたり、基本的にすべての会社にとってなくてはならない存在と言えるでしょう。

業務の流れ
・お客様との商談アポイントの獲得
・お客様を訪問し、課題や業務のヒアリング
・訪問時に顕在化していた課題や、これから発生するであろう潜在的な課題を解決できる商材を提案
・成約、納品
・アフターフォロー、次なる提案

基本的にはこのような流れとなりますが、商材が有形か無形か、お客様が法人か個人かなどにより大きく変わります。そこで次に、営業職の区分について見ていきましょう。

営業職の区分
営業職と一口に言っても、いくつかの区分に分けることができます。「個人向けに有形商材の新規営業」といった具合に、下に挙げた複数のものが組み合わさり一つの求人となるため応募しようとしている求人がどれに該当するのか検討しましょう。

法人営業
企業や学校、官公庁などの法人・団体に向けて商品やサービスを提供します。費用対効果が厳しく見られる傾向があります。

個人営業
個人のお客様に向けて商品やサービスを提供します。皆さんがモノを買う場面を想像していただけると分かりやすいですが、商品そのものの魅力よりは担当の営業の人柄や相性が重視される傾向があります。

有形商材の営業
目に見える形のあるモノを販売する営業職です。具体的には自動車、住宅、呉服、装飾品などが挙げられます。既に製造済みの製品を販売することもあれば、オーダーメイドや特注といった形で企画から手掛ける場合もあります。
また営業の力だけでなく製品そのものの魅力やブランド力の恩恵を受けることができる場合もあります。たとえば、高級車や宝石などの嗜好品では、お店に来る前から買う物が決まっているケースも多いようです。

無形商材の営業
目に見えないサービスを販売する営業職です。具体的には保険や広告、金融商品などが挙げられます。広告などは実際にやってみなければ効果が分からない部分も大きいため説得力のある提案が求められます。

新規開拓営業
これまでに取引の無いお客様に対し新規にアプローチする営業手法です。電話や飛び込み訪問などでアポイントを獲得するところからスタートします。ホームページや広告に反応があったお客様に対応する反響営業という手法をとる会社もありますが、基本的には自ら新規開拓をしていくことが求められます。

ルート営業
既に取引のあるお客様を定期的に回る営業手法です。納品した商材に不具合はないか、お客様の状況に変化が起きていないかなど、緊密にコミュニケーションを取りながら探り適切な提案を逐次入れていくことで長期にわたり信頼関係を獲得していきます。

ここまで読まれて、営業職に対し辛そうであるというイメージを持たれた方もいるかもしれません。しかし、辛さを乗り越えた先に最高の喜びが待っています。

自分の提案・コンサルが喜ばれる
営業職は商材を売っておしまいではありません。お客様が口に出さなくても、困っているであろうことを推測し、どうすれば課題を解決することができるかを提案していきます。特に、お客様自身も気づいていなかった課題を指摘し解決できる提案ができた時にお客様に喜んでいただける嬉しさは別格です。

評価が定量的
営業職の場合は「頑張り」が売り上げという数字に表れるため、上司の好き嫌いや個人的感情で評価が左右されにくい職種と言えるでしょう。具体的に売り上げに対するボーナス金額や役職を定めている企業も多く、入社からの年次が浅くても抜擢されやすい環境といえます。
その一方で数字を上げることができなかった場合、厳しい立場に追い込まれることも想定されますので覚悟が必要です。

稼ぎやすい
売り上げに対して支払われるボーナスを「インセンティブ」と呼びます。不動産や金融のように、単価が高い商材を扱う場合インセンティブが成約1件あたり100万円を超えるケースも。もちろん、毎月毎月100万円を稼ぎ続けることができるのはごく一部ですが、頑張れば年収1000万円も実現不可能ではありません。

決して楽な仕事ではない反面、頑張れば頑張った分だけ大きな見返りを得ることができる営業職ですが、どのような能力があれば営業職になれるのでしょうか。
一般的に、気合が入っている体育会出身者や頭脳明晰な高学歴者が企業からは好まれる傾向にありますが、必ずしもそうとは限りません。それでは、営業職に求められる能力について見ていきましょう。

人当たり、コミュニケーション能力
人と接する仕事であるため、コミュニケーション能力は必須となります。そうはいっても、漠然としていてよく分からない方も多いでしょう。
より噛み砕いて説明すると、初対面の人と早く打ち解け信頼される能力と言えるでしょう。お客様は、見ず知らずの相手に自分の事業上困っている点や個人の状況を話すのです。一方的に商材を売り込むのではなく、「相手が本当に必要としているものは何か」というお客様目線で話を聞くことが、コミュニケーション能力を磨く一番の近道でしょう。

積極性
企業が未経験者を営業職に採用するのは、もちろん人手不足も原因ではありますが何より入社後の成長に期待しているからでしょう。
未経験からのスタートの場合、社会人としてのキャリアは積んでいたとしても最初から思い通りに成果を上げられるとは限りません。しかし、それでもめげずに前向きに挑戦を続けていればいつかは必ず実を結びます。特に新規営業の場合は断られることの連続です。中には、暴言を浴びせてくる相手もいるかもしれません。それでも諦めずに積極的に挑戦を続ける姿勢が、未経験者には求められています。

気遣い、気配り力
一般にお客様は、自分の期待を超えるサービスを受けた時に感動すると言われています。そのためには、相手が本当は何をして欲しいのか、言葉に出さない部分まで推し量ることが重要です。言われたことだけを熱心にやっていても評価にはつながりにくく、言われていない事まで相手のためにやる事が感謝や評価につながります。

そもそも営業職をやるにあたって、特別な資格は必要ありません。誰にでも門戸が広く開かれているのが営業職なのです。しかし、営業職をやるのに有利な資質や能力は確かに存在します。

人と接する機会を増やそう
仕事・プライベート問わず人と関わる機会をなるべく多く持ち、コミュニケーション力を磨いておくとよいでしょう。できれば初対面の、かつ生理的に苦手なタイプの相手と積極的に関わってみましょう。敢えて苦手なタイプの方と接することで、対人能力は圧倒的に成長するはずです。コミュニケーション能力は人との関わりの中でしか鍛えることができません。最初は失敗してしまう事もあるかもしれませんが、恥ずかしがらずに楽しんで取り組みましょう。

どんな営業職が向いているか分析しよう
同時に、自分がどのような営業に向いているのかも見極めていきましょう。自ら新たな販路を切り開く新規営業なのか、地道に信頼関係を構築するルート営業なのかなど、選考で何故営業職を志望したのか掘り下げて聞かれた際にも説明できるよう自分の中で志望理由を明確にしておきましょう。

幅広く募集が行われている営業職ですが、その中でも無形商材の新規営業が就職しやすいようです。保険やインターネット、人材サービス業界は市場が拡大傾向で、営業職が慢性的に不足しています。
業界自体に経験がなくとも心配ありません。未経験者を中途採用する企業は教育・研修制度が整っており、先輩や上司が丁寧に指導してくれます。最初は先輩の営業に同行しノウハウを教えてもらう期間が設けられるため、積極的に自ら学ぶ姿勢さえあれば何も心配いりません。

未経験業種への転職は一般的には不利であるものの、営業職の場合は募集も多く行われていると述べましたが、ではどのような自己ＰＲが受かりやすいのでしょうか。いくつか例を見ていきましょう。

前職の経理職では全事業部と連携を図り会社の財務を支えるという点でやりがいがありましたが、非生産部門のため自分の成果が見えにくく肩身が狭く感じた事もあり、自らの成果が明確に分かる形で会社に貢献できる営業職への転職を決意しました。

ポイント：収益への意識と自分の責任で数字を出して頑張りたいという決意をアピールできています。前職の成果を表現することが難しい場合は、コミュニケーション力や会社へどう貢献していたのかをアピールしましょう。

スポーツ用品店での販売員時代には、お客様とのコミュニケーションを意識して鍛えましたが来店を待って販売するスタイルに物足りなさを感じました。自ら顧客を切り開き、課題解決の提案をしていきたいと考えこの度御社の営業職を志望します。

ポイント：自ら積極的に販路を開拓する意欲をアピール。ショップ販売員の場合はお客様と直接接した経験は営業職にも通じるため、工夫した点をアピールしましょう。

営業職は特別な資格なしにあなた自身を売り込むも同然であるため、ビジネススキルがもっとも鍛えられる仕事といっても過言ではないでしょう。
未経験にも門戸が開かれていると言うと簡単そうに聞こえるかもしれませんが、決して楽な仕事ではありません。最初は1円も売れない日々が続くでしょう。売るまで会社に帰ってこないよう命じられることもあるかもしれません。何としてでも数字を達成するという強い意志と覚悟を持ち続ける事も大切です。
しかし、それを乗り越えた先に成長や楽しさ、やりがいが生まれます。そのため営業職を通じて将来どのような自分になりたいのか定めたうえで挑戦しましょう。