目次
第二新卒の転職市場
団塊の世代の大量退職や少子化など、労働人口の減少に悩む日本では人材不足に陥る企業が多く存在します。そのため、企業を選ばなければ「どこにも再就職できない」という事はほぼ無いでしょう。しかし大手企業となると話は別です。新卒ですら倍率数十倍という狭き門であるため、第二新卒の方が簡単にパスできる試験とは言えません。 とはいえ、近年では第二新卒の理解も広まり大企業も第二新卒の採用を積極的に行うようになりつつあります。そこで第二新卒での転職の懸念点と、第二新卒ならではのメリットをご説明していきます。
第二新卒で転職したが、また辞めた
第二新卒という事は、新卒で入った会社を入社後3年以内に辞めているという事になります。そのため、もしかしたら「辞めグセ」がついてしまうかもしれません。
- 入社してみたらイメージしていた仕事と全然違った
- プライベートも充実したライフスタイルが送れると思っていたが休みが全然ない
- 人間関係をリセットするために転職したが、またしても気まずくなってしまった
- やっぱり働くこと自体が辛い
また、より良い環境を求め行動することは良い事ですが、後先を考えずに転職活動を始めてしまうと結果的に前職よりも悪い条件で働かざるを得なくなることもあります。その場合にも、また近い将来転職活動をしなければならなくなるでしょう。
第二新卒のメリット
第二新卒の転職活動は新卒の就職活動よりも不利であると言われますが、では第二新卒と新卒はどのような違いがあるのでしょうか。 まず、第二新卒は就労経験を持つため最低限のビジネスマナーを備えているという点が挙げられます。次に、第二新卒は一度挫折経験を持っているため次こそは慎重な企業選びを行った上で長く働いてくれるのではないかと期待されています。 このように、第二新卒ならではのメリットもあります。
第二新卒を企業はどう見るか
転職をすることに対して、何となく後ろめたさや再就職できないのではないかといった懸念を感じてしまう事もあるかと思います。終身雇用が当たり前という環境で20代を過ごした両親から厳しい目線を向けられる事もあるでしょう。ここでは、実際に企業からは第二新卒の方がどのように見えているのかを説明していきます。
エントリーシートの観点
2014年4月 株式会社〇〇入社 2015年3月 株式会社〇〇退社 2015年4月 △△株式会社入社 2016年3月 △△株式会社退社
エントリーシートがこのような記載となり、「これでは書類選考落ちしてしまうのではないか」と心配になる方も少なくないでしょう。ではこれは企業からはどのように思われているのでしょうか。 結論、大手企業への再就職という観点では問題ありません。もちろん、全く悪影響が無いとは言い切れません。中には、第二新卒を募集していながらも否定的に捉えている企業も無いとは言い切れません。しかし、大手企業すべてがそのように第二新卒に対し厳しいわけではありません。何故転職をしたのか、正直に説明することが大切です。
面接の観点
書類選考を通過すると次に面接がやって来ます。以前いた企業や過去の転職について、聞かれる事もあるでしょう。ここの対応で合否が分かれると言っても過言ではありません。志望動機や将来の目標についてハキハキと答えていても、経歴について尋ねられた途端自信の無さそうな話し方に変わってしまったり、挙動不審になってしまったりする方がいます。しかしこの質問は皆さんを困らせるためのものではなく、あくまで皆さんの事をよりよく知るために行われている場合が殆どです。前職で得たスキルも添えて話す事ができると良いでしょう。
NG回答例
何故転職をしたかという質問に対し、正直に説明しましょうと書きましたが就労意欲の感じられない答え方では流石にNGです。「前の会社が嫌だったから」「合わなかったから」では、採用してもまたすぐに辞めてしまうと思われてしまいます。何故転職に至ったのかという部分について筋の通る説明をしましょう。
第二新卒が大手に再就職するために必要な対策
第二新卒が大手への再就職を目指す場合、通常の再就職に比べ難易度が高いことは否めません。しかし、次に説明する対策を行う事で大手への再就職がぐっと近づきます。実際の選考に使える対策ばかりですのでよく読んでおいてください。
今度は辞めない理由をアピールする
第二新卒での転職活動では、ほぼ間違いなく前職を辞めた理由について聞かれます。正直に答えましょうと何度もお伝えしていますが、この質問の本当の意味は何なのでしょう。 企業は通常、教育に莫大な費用をかけています。研修のテキスト代など目に見えるものに加え、新人を指導する上司の人件費なども含まれます。そのため、社員がすぐに辞めてしまうと教育にかけた費用を損してしまう可能性があるのです。第二新卒の方は、一社目の会社に対しすでに同じことをしていると捉えられてしまうため、次の会社ではそう簡単には辞めない理由をアピールする事が大切です。一つのパターンとしては、自分自身の変化を説明するのが良いでしょう。「新卒の時に自分自身のキャリアに真剣に向き合わずいい加減な企業選びをしてしまったが、社会に出てから初めて真剣に考えたところ自分がやりたい事は〇〇であったと分かったため御社を志望します」などと説明できれば良いでしょう。
潜在能力をアピールする
新卒はポテンシャル採用、中途はキャリア採用と呼ばれています。これは、大学を卒業したての新卒には「今その時点で」何ができるかより「これから何ができるようになりそうか」というポテンシャルが重視され、経験を積んできた中途には「今何ができるか」というスキルを重視するというものです。では第二新卒は何が重視されるのでしょうか。 第二新卒の場合は、短いながらも実務経験がある点が新卒と比べた場合の強みになります。そのため過去の仕事を振り返って経験した事の中から伸ばせる部分についてアピールしましょう。
汎用性の高さをアピールする
前職での経験が、大企業でどのようい生かせるのか面接官がイメージしやすいようにアピールしましょう。一般に、中小企業の方が一人が担当する仕事の幅が広いため、大手企業の同年齢の社員よりも実務経験を積んでいるケースが多いです。その部分をアピールし、即戦力としても機能する人材であるとアピールできると良いでしょう。
第二新卒が大手に再就職するための心構え
ここまで、エントリーシートや面接での実践的な振舞い方、話し方、テクニックについて説明してきました。ここでは、第二新卒の方が大手企業に再就職するための根本的な心構えやマインドについて説明していきます。業務の中で困った場合にも応用できるため転職成功後も長く役に立つ内容となっています。
離職を他人のせいにしない
自分の失敗を、自分以外の何かのせいにするのはやめましょう。「仕事が合わなかった」「思っていた環境と違った」「上司と合わなかった」などなど、様々な事業があるかと思います。その中にはたしかに、皆さんにはどうしようもできないものも含まれるかもしれませんが状況を変える努力をしましたでしょうか。仕事が合わないのであれば、先輩やできる同期にやり方を聞いて克服しようとチャレンジしてみる、上司と合わなかったのであれば、互いにコミュニケーションを取り理解し合えるように食事などプライベートな接点も持つよう模索してみる、など状況を変える努力はできたはずです。一見、上司などは入社時に決められているため自分の力ではどうしようもないように見えますが、できない事など無いのです。その点を忘れ、あたかも会社や他人が悪いかのように思ってしまうと人生が好転しにくくなってしまいます。
前向きな発言だけをする
「経理を1年間やっておりましたが、非生産部門であることと内勤であることから息が詰まってしまったので、自分で利益を取ってくる営業を行いたい」 と話すのと 「経理を1年間やっており、会社の中枢に関わる業務に携わらせてもらい非常にやりがいがありました。どのように会社のお金が回り収益を上げるか理解できている点を強みに、この度は自らの手で利益を勝ち取る営業に挑戦したいと考えました」
と話すのではどちらの印象が良いでしょうか。 冒頭の方で、正直に話しましょうと書きましたが、この2つはどちらも事実は正直に伝えています。事実を正しく伝えながらも、自分の気持ちをどのように盛り込むかにより印象はここまで変わってしまうのです。以前の経験を生かしステップアップしていきたいという点を中心に、すべてを前向きな方向で話すようにしましょう。
辞めた企業を悪く言わない
いかなる場合でも辞めた企業を悪く表現する事はNGです。何かしらの不満があって辞めたのですから、文句を言いたくなる気持ちはわかります。しかし、悪口を言ってしまうと面接官からは「どうせウチでも文句を言いだすのだろう」と思ってしまいます。また、文句があるのであれば面と向かって言えばよいところを、相手のいないところで、しかも転職活動の面接の場で言うというのは卑怯ですよね。紳士的振る舞いができるようにしましょう。
第二新卒が大手企業に再就職するには
第二新卒の方が大手企業に再就職するためには、転職エージェントの利用がおすすめです。特にDYM就職は、元々が第二新卒に特化した転職支援サービスから始まったということもあり今でも第二新卒の方の転職には大きな強みを持っています。